現存する日本最古の天守を持つ国宝犬山城。その天守を望む犬山市内で、江戸時代から親しまれている名物料理が「田楽」です。

「田楽」自体は日本中で食べられている料理ですが、犬山市内で食べられている田楽は「木の芽田楽」や「犬山田楽」とも呼ばれ、くせになる美味しさの味噌田楽。

調査員F

テレビでも度々紹介されており、田楽目当てに犬山を訪れる人もいるほどです。地元民だけでなく、観光客からも大変人気がある犬山田楽、どのようなものなんでしょうか?

こちらでは、そんな尾張犬山の名物「田楽」を徹底リサーチ。その特徴や歴史と、絶品の犬山田楽が食べられる名店をご紹介します。

目次

犬山ご当地グルメ「犬山田楽」の特徴

焼いた野菜や、こんにゃくなどに味噌だれをつけて食べる「味噌田楽」は、日本全国で食べられており、地域によってその特徴はさまざま。

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犬山がある尾張地方では、揚げた生麩に味噌だれを塗る「生麩田楽」や、豆腐に味噌だれをからめて焼く「豆腐田楽」が古くから親しまれていますね!

尾張地方の田楽には、木の芽と練り辛子を添えますが、犬山田楽には青のりが振ってあることが多く、山椒や一味で風味をプラスして食べることもあります。

以下、そんな犬山田楽の特徴を詳しく解説します。

田楽味噌

画像提供:岡崎市

犬山の田楽に欠かせない「田楽味噌」は、愛知県内で広く使われている「八丁味噌」などの赤味噌を使用しており、食欲をそそる濃い色と香りが特徴です。

下記のような調味料を合わせ、独特なコクのある甘辛い田楽味噌に仕上げています。

  • 赤味噌
  • みりん
  • 砂糖
  • だし汁
  • 酒 など

犬山の田楽は、味噌だれを塗ったあとに焼く場合が多く、焼いているときに味噌が流れ落ちてしまわないよう、固めに練り上げられています。

店によって、木の芽や柚子などで香り付けをすることもあり、爽やかな香りが赤味噌の風味を引き立てます。

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こんがりと焼かれた田楽味噌は、さっぱりとした味わいながらも濃厚なコクがあり、串に伸びる手が止まりません。

豆腐

犬山では、生麩やこんにゃく、里芋などの野菜を使った田楽も食べられますが、基本的には「豆腐田楽」が主流で、こだわりの大豆で作られた木綿豆腐が使用されています。

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焼いている間に抜けないよう、豆腐には2本の串が打たれています。食べるときにも持ちやすく、食べやすいサイズにカットされているため食べ歩きグルメとしても人気なんですね。

軽く水分が抜かれているので味噌だれが薄まる事なく食べられ、田楽味噌の風味を存分に味わうことができます。

ふんわり柔らかく焼き上げられた木綿豆腐は、軽い口当たりで食べやすく、いくらでも食べられてしまう美味しさです。

菜飯

愛知県内の味噌田楽は、菜飯とセットで提供されることが多く、下のような定食スタイルが一般的です。

  • 味噌田楽
  • 菜飯
  • 吸い物
  • 香の物 など

江戸時代から大根の産地として知られる尾張地方では、塩ゆでしたり、煎って塩と合わせたりした大根の葉が菜飯に使われています。

甘辛く濃いめの味の味噌田楽は、大根の葉の香りが爽やかな菜飯と相性が良く、菜飯の上に田楽をのせて、丼もののようにする食べ方も人気があります。

田楽の歴史

全国各地で食べられている「田楽」は、日本で古くから行われていた伝統芸能に由来する料理だといわれています。

普段何気なく食べている料理も、その背景を知るとまた違った味わいで楽しむことができます。「田楽」の歴史を知って、伝統の味を堪能してください。

田楽はもともと伝統芸能だった?

料理名の「田楽」は、平安時代から室町時代まで行われていた、「田楽」という田舞に由来するといわれています。平安時代に米の豊作を願って、笛や太鼓、歌に合わせて踊られていた楽舞が発展し、「田楽」と呼ばれる芸能になりました。

伝統芸能の田楽の中には、「田楽法師」が白い装束を着て、「高足」や「鷺足」と呼ばれる棒に乗って舞う場面があります。

のちに生まれた「豆腐に串を打ち、味噌を塗った料理」が、高足で舞う田楽法師の姿に似ていたことから、「田楽」という名で呼ばれるようになったといわれています。

田楽とおでんの知られざる関係

田楽と名づけられた料理は、現在の和食の定番料理にも深く関わっています。なんと現代人が大好きな「おでん」のルーツも「田楽」だといいます。

田楽は、下のような具材に味噌だれを塗って焼く料理ですが、そのスタイルは地域によってさまざま。

  • 野菜
  • こんにゃく
  • 豆腐

串に刺した具材を焼かずに、鍋で煮てから味噌だれを付けて食べる「煮込み田楽」が生まれた地域もあり、これが「おでん」のルーツになったといわれています。

今でも各地に「味噌だれおでん」があり、愛知県には味噌だれを付けるタイプのおでんや、味噌だれベースの甘辛いつゆで煮込んだ「味噌おでん」などがあります。

味噌おでん

寒くなると多くの人が食べたくなる料理の1つとして、おでんがあげられるでしょう。練り物を中心に複数の具材を使用するおでんは、煮込み料理や鍋料理に分類される日本を…

犬山グルメ菜飯田楽の発祥はどこ?

現在愛知県内の多くの飲食店で提供されている、味噌田楽と菜飯がセットになった「菜飯田楽」の発祥は、滋賀県といわれています。

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江戸時代、東海道沿いには「菜飯田楽」を売る茶屋が多くあり、街道を行き交う旅人に喜ばれていたといいます。

一説では滋賀県から東海道に沿って、「菜飯田楽」が各地に伝わったとされていますが、江戸城下では当時すでに菜飯と田楽をセットにした料理が提供されていた、との説もあり、正確な発祥時期や発祥の地は分かっていません。

映える!犬山田楽

串が打たれた豆腐に、つややかで濃い色の味噌だれが塗られた犬山の豆腐田楽は、青のりの緑が美しく、その見た目でも食欲がそそられますよね。

最近では、伝統的な豆腐田楽に加えて個性豊かな犬山田楽の面々が、SNSのタイムラインを彩っています。

まるでスイーツのように鮮やかな見た目で、味のバリエーションに富んだ田楽も、昔ながらのシンプルで伝統的な田楽も、どちらもSNS映えすると話題です。

映える犬山グルメ「犬山田楽」は、国宝犬山城とともに、犬山観光の代名詞になっており、休日にはたくさんの人が田楽を片手に観光を楽しんでいます。

絶品の「犬山田楽」おすすめ店

本町茶寮

本町茶寮

4.7
80
  • 犬山田楽
  • 犬山市
  • 犬山駅

Shop information

店名
本町茶寮
住所
〒484-0083 愛知県犬山市大字犬山字東古券673
最寄駅
犬山駅
営業時間
11:00~17:00
定休日
年中無休

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松野屋

松野屋

4.3
32
  • 犬山田楽
  • 犬山市
  • 犬山駅

Shop information

店名
松野屋
住所
〒484-0081 愛知県犬山市犬山北首塚28-1
最寄駅
犬山駅
電話番号
0568-61-2417
営業時間
11:00-15:00(L.O 14:30)
定休日
木曜日

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さくら茶屋

さくら茶屋

3.9
60
  • 犬山田楽
  • 犬山市
  • 犬山遊園駅

Shop information

店名
さくら茶屋
住所
〒484-0082 愛知県犬山市犬山北古券12-5
最寄駅
犬山遊園駅
電話番号
0568-62-7665
営業時間
11:00~16:00 ※季節によって変動
定休日
金曜日(祝日の場合は営業)

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豆腐かふぇ 浦嶌

豆腐かふぇ 浦嶌

3.8
39
  • 犬山田楽
  • 犬山市
  • 犬山駅

Shop information

店名
豆腐かふぇ 浦嶌
住所
〒484-0081 愛知県犬山市犬山東古券726-2
最寄駅
犬山駅
電話番号
0568-27-5678
営業時間
11:00~15:00(L.O.14:00) ※平日は14:00 or 14:30閉店の場合あり
定休日
火曜日

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国宝犬山城のお膝元で犬山田楽を楽しもう

犬山の味噌田楽は、豆腐に塗られた甘辛い味噌だれがこんがりと焼かれて、食欲をそそる良い香り。青のりや山椒の風味も手伝って、いくらでも食べられる美味しさです。

拍子木のようにカットされた豆腐は食べやすいサイズで、食べ歩きグルメにもぴったりです。お店によって特徴の違う田楽が食べられるので、ぜひ犬山の田楽を食べ比べてみてください。

休日は、国宝犬山城のお膝元で、伝統の味「犬山田楽」を堪能しましょう!