愛知県には、長い歴史を紡いできた、当時の雰囲気を残す場所や建物が今も多く残っています。この記事では、時代の流れとともに変わらずその魅力を伝えてきた、国内のおでかけにぴったりな愛知県のレトロスポットをご紹介します。

その場所に一歩足を踏み入れれば、あなたもその時代の空気や風情に包まれ、懐かしくもどこか新しい発見ができるはずです。

目次

【名古屋市】ノリタケの森

日本を代表する陶磁器メーカーのノリタケ。2001年に創立100周年を記念してJR名古屋駅の近くにオープンしたのが、「ノリタケの森」です。公園やレストランなどの施設が入った複合施設になっています。

「文化と出会う」「暮らしを楽しむ」「歴史を感じる」という、3つのゾーンがあり、名古屋の中心部にありながらそれぞれ美しい緑の公園や草花が楽しめる安らぎの場所です。

赤レンガ造りの建物が美しく、無料開放されている芝生の広場からはフォトジェニックな写真を撮影することができます。創立当時の工場跡を偲ばせる’煙突のモニュメントや、100年の歴史があるノリタケの陶磁器製造工程が見られるなどレトロな魅力満載です。

ノリタケの森の基本情報

  • 住所:名古屋市西区則武新町3-1-36
  • 入館料:◎大人・学生500円
        ◎65歳以上300円
        ◎高校生以下無料
        ◎障がい者(手帳をお持ちの方)無料
  • 営業時間:【ショップ】11:00~19:00
         【ウェルカムセンター、クラフトセンター・ミュージアム、絵付け体験】10:00~17:00(絵付け体験の           受付は16:00まで) 
         【ギャラリー】10:00~18:00(催事最終日は16:00まで)
  • 定休日:【ショップ、カフェ グラン ヴェール】
    ◎年中無休(施設メンテナンスのための臨時休業有り)
        【ウェルカムセンター、クラフトセンター・ミュージアム、絵付け体験、レストラン キルン】
    ◎月曜日(祝日の場合は翌平日)
    ◎年末年始(12月26日~1月3日)
        【ギャラリー】
    ◎月曜日(祝日の場合は翌平日)
    ◎年末年始(12月26日~1月2日)
  • 公式HP:https://www.noritake.co.jp/mori/

【名古屋市】名古屋市市政資料館

東区白壁にある公文書館である名古屋市市政資料館は、明治時代のゴージャスな建築美を体感できる場所。かつては旧名古屋控訴院の庁舎として使われており、日本全国で現存する控訴院は札幌と名古屋の2つのみだそうです。

外観は赤レンガと白い花崗岩で彩られ、ネオ・バロック建築の傑作ともいわれています。みどころは、ステンドグラスで彩られた中央階段室。無料で観覧できます。華麗なステンドグラスは建築当時のものが残されており、ドラマの撮影にもたびたび使われるようですよ!映える写真を撮影して、SNSの投稿してみてはいかがでしょうか?

名古屋市市政資料館の基本情報

【名古屋市】文化のみち

文化のみち二葉館

「文化のみち」は、名古屋の近代化の歩みを伝える活動の一環で生まれたもの。文化人・財界人の屋敷が連なり、歴史的遺産の宝庫ともいえる名古屋城から徳川園に至る地区一帯を指します。名古屋市が同地区を保存する目的で、同地区で建築遺産の保存・活用やイベントの開催を行っており、レトロスポットとしても人気を集めているんです。

15以上の施設で内部が公開されているため、ここでは徒歩で一度に回れるおすすめスポットをいくつか紹介します。

文化のみち橦木館

地下鉄桜通線高岳駅から10分ほど歩くと見えてくる「橦木館」は、陶磁器商人として活躍した井元為三郎によって、大正15(1926)年に建てられた邸宅です。

住居として使用されていた和館と、応接用の洋館に分かれており、大正ロマンあふれる和洋折衷の趣を感じることができます。洋館は当時では最高のおもてなしだったといわれており、さりげなく取り入れられたステンドグラスなどは、華美さはないものの気の利いた装飾として魅力的に映ります。

旧応接室はカフェとしても利用でき(入場無料)、欧文化を取り入れた部屋で紅茶を飲みながら、日本庭園を眺めるといった体験もできますよ。

文化のみち橦木館の基本情報

  • 住所:名古屋市東区橦木町2-18
  • 料金:大人200円(20名以上の団体160円)※中学生以下は無料。
       二葉館との共通券 320円
  • 営業時間:10:00~17:00
  • 定休日:月曜日
  • 公式HP:https://www.shumokukan.jp/

文化のみち二葉館

鐘木館から東に少し歩くと「二葉館」があります。「日本初の女優」と称された川上貞奴と、「日本の電力王」と呼ばれた福沢桃介が事業のパートナーとして、大正から昭和にかけて同居していた館です。もともと東区二葉町にあったものが移転修復され、2005年に開館しました。

白く美しい壁面と、赤い屋根の建物に入ると見える大広間には、絢爛なステンドグラスが。福沢桃介の義弟でもあり、当時名が知れていたデザイナーであった杉浦非水の原画をもとに作られたもので、フォトジェニックな撮影スポットとなっています。

そのほか、裏側にも板が貼られているのが特徴の美しい螺旋階段などが有名です。

文化のみち二葉館の基本情報

  • 住所:名古屋市東区橦木町3-23
  • 料金:大人200円(20名以上の団体160円)※中学生以下は無料。
       橦木館との共通券 320円
  • 営業時間:10:00~17:00
  • 定休日:月曜日
  • 公式HP:https://www.futabakan.jp/index.html

名古屋陶磁器会館

さらに二葉館からもう少し東へ足を延ばし、徳川園エリアまで行くと「名古屋陶磁器会館」が。かつて輸出向け陶磁器絵付け加工の全国的な中心地であった東区・北区エリアで、当時の名古屋陶磁器貿易商工同業組合の事務所として建設された施設です。

建物は名古屋を代表する表現主義建築として知られており、大きな半円がレトロな風情を演出しています。

昭和初期のレトロな雰囲気が感じられる館内は入場無料。1階の展示室では戦前から戦後に名古屋で加工された陶磁器のアートを観覧でき、ミュージアムではやきものの購入もできます。世界を魅了したやきもの製品を見に行ってみてはいかがでしょうか。

名古屋陶磁器会館の基本情報

  • 住所:名古屋市東区徳川1丁目10番3号
  • 入館料:無料
  • 開館時間:10時~17時(最終入館16時30分まで)
  • 休館日:土・日曜日、祝日
        年末年始12月29日~1月4日
  • 公式HP:http://nagoya-toujikikaikan.org/

【北名古屋市】昭和日常博物館

古き良き昭和の財産が展示されている「昭和日常博物館」。その名の通り、昭和の情緒あふれる暮らしぶりを全て無料で見ることができます。

平成9年の「日常が博物館入りする時」と題された特別展でフロア全体が昭和30年代の資料で埋められたことが始まりです。

懐かしい駄菓子屋や、普及したばかりの電化製品など、展示品の数は1万点以上。昭和時代を過ごした方には懐かしく、若い年代の方にはレトロで新鮮です。当時を生きていた人々の「キオク」をつなぎ、今を生きる人々の「キオク」を掘り起こす、という博物館の想いを肌で感じられる場所です。

昭和日常博物館の基本情報

【半田市】半田赤レンガ建物

半田赤レンガは、もともと明治31(1898)年にカブトビールの製造工場として誕生した建物。これまで東南海地震や半田空襲などに見舞われながらも現在まで姿が残っており、壁には空襲による機銃掃射の傷痕が今も残っています。

日本のビール黎明期であった建造時に日本の大手ビールメーカーに挑み、パリ万博では金牌を受賞したカブトビール。そのものづくりの精神を未来につなぐ赤レンガは、いたるところに明治時代の趣を残しています。2005年に復刻したカブトビールを飲んだり、赤レンガをバックにSNS映えする写真を撮って楽しんでみてください。

半田赤レンガ建物

  • 住所:半田市榎下町8
  • 料金:大人(高校生以上) 200円 中学生以下 無料
  • 営業時間:【常設展示室】9:00~17:00
         【ショップ】10:00~17:00
         【カフェ】10:00~17:00(LO.16:30)
  • 定休日:年末年始
  • 公式HP:https://handa-akarenga-tatemono.jp/

【犬山市】博物館明治村

犬山に位置する、明治時代の建造物や文化を楽しむことができる博物館です。博物館とは言っても屋外展示となっており、自然あふれる場所で蒸気機関車や移築された重要文化財を見ることができます。日本で3番目の広さを持つ野外テーマパークでもあり、風景の美しい丘陵地に67もの建築物があるんです。

とくに有名なのが、重要文化財に指定されている「聖ヨハネ教会堂」。明治40(1907)年に建てられたプロテスタントの一派・日本聖公会の京都五條教会で、2階が会堂、1階は日曜学校や幼稚園に使われていました。

時代の変化とともに姿を消してゆく明治の建築を保存してきた博物館明治村。文化的価値が最も発揮されるように工夫されて配置された町並みは、レトロな魅力満載です。

博物館明治村の基本情報

  • 住所:犬山市内山1番地
  • 料金:◎大人:2,000円 
       ◎大学生・シニア(65歳以上):1,600円
       ◎高校生:1,200円
       ◎中学生・小学生:700円
       ◎幼児(未就学児)・明治生まれの方:無料
  • 営業時間:【4月~7月、9月、10月】9:30~17:00
         【8月】10:00~17:00
         【11月】9:30~16:00
         【12月~2月】10:00~16:00
         【3月】9:30~17:00
         ※ 入村は閉村時間の30分前まで
  • 定休日:不定休
  • 公式HP:https://www.meijimura.com/

【日進市】レトロでんしゃ館

かつて名古屋市の街を走り、人々に愛されてきた市電と地下鉄車両の展示が見れる「レトロでんしゃ館」。代表的な市電が3両と、地下鉄開業当初に名古屋・栄間を走っていた100形車両2両が展示されています。ジオラマや当時の資料を見ることもできます。

おすすめは、黄電の愛称で親しまれた開業当時の地下鉄100形の中に入り、当時の雰囲気を感じられること。電車が好きな方はもちろん、そうでない方も昭和にタイムスリップしたような体験ができますよ。

レトロでんしゃ館の基本情報

【瀬戸市】瀬戸蔵ミュージアム

長い歴史を持つやきもののまち、瀬戸。観光拠点施設「瀬戸蔵」にある「瀬戸蔵ミュージアム」では、せとものの大量生産で活気づいていた昭和30〜40年代の瀬戸の町並みにタイムスリップしたような体験が楽しめます。

入口に入ると目を引くのが、焼き物の輸送を担っていた「せとでん」の緑色の電車「モ754号」。とても雰囲気を醸し出しています。

中では、まちの象徴である旧尾張瀬戸駅や工場などの懐かしい町並みを歩くことができます。煙突や石炭窯など、当時の風情あふれる展示を楽しんでみてください。

瀬戸倉ミュージアムの基本情報

【豊橋市】水上ビル

「水上ビル」とは、豊橋市にある「豊橋ビル」「大豊ビル」「大手ビル」をまとめた建物のことを指します。豊橋の象徴的存在でもあり、水上ビルという名前の由来は、市街を流れる暗渠、牟呂用水の上に立っていることから。

戦後の闇市で、土地が高く立ち退きの危機に瀕したことで、水路の上にビルを作ろうという奇抜なアイデアが生まれました。

1960年代から豊橋で地元の方に愛されてきた水上ビルには、昭和の人情味あふれる喫茶店や居酒屋、八百屋などが連なります。周辺では地域に根付く駄菓子やご当地グルメが楽しめますよ。人と人がつないできた、生きた文化を体験してみてはいかがでしょうか。

水上ビルの基本情報

  • 住所:愛知県豊橋市東小田原町88
  • アクセス:新豊橋駅から徒歩10分

【豊橋市】水上ビルと昭和レトロを彷徨う

豊橋駅からほど近くに建つ、東へ東へと伸びる長いビル群。通称「水上ビル」 見た目から年季が入ったビルであることが伺えますが、このビルは一体どんな建物なのか……

レトロな魅力あふれる観光スポットを見に行こう!

時代を超えて愛され続ける愛知のレトロスポット。モダンなビルやショッピングモールが立ち並ぶ中、名古屋や愛知のあたたかな歴史や風情を感じられる場所が愛知県にはあります。

キラキラした現代的観光スポット巡りも楽しいですが、たまにはレトロな魅力あふれる場所を巡って、時間旅行を楽しんでみるのもおすすめです。